アメリカの政治が分断される一方地域ではダイレクトデモクラシーが誇らしげに機能している ブルーノ・カウフマン

ブルーノ・カウフマン グローバル・デモクラシー特派員

2018年11月7日

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ブルーノ・カウフマン(文) 佐々木重人(日本語訳)

 

11月6日、連邦の37の州で158の州規模の投票が行われた
(Keystone)

このアメリカの選挙の夜、焦点の多くは態度が明らかな議会と知事のレースに置かれたが、多くの州のアメリカ市民も、人びと自身がイニシアチブを起こした何千という投票に参加した。投票結果は、ワシントンの分裂政治とは対照的に、ダイレクトデモクラシーが地域レベルで機能していることを示している。

 

アメリカ合衆国の選挙の日は、アメリカのデモクラシーの州へ面白いほどたくさんの洞察を与える。イニシアチブとレファレンダムによる現代のダイレクトデモクラシーの手続きと実践は、大部分のアメリカの州や都市でとても大事なものだ。 11月6日に36州で158の州規模での投票が行われた。さらに、数千の地域イニシアチブとレファレンダムが行われ、一番多いカルフォルニアは、540の投票が登録された。

これらの一般投票の結果は、ワシントンの分裂的で反動的な政治からの歓迎すべき休憩を提供した。

 

有罪判決を受けた犯人に投票させる投票

フロリダ州の有権者は驚いたことに、しかも圧倒的に、特定の重罪で有罪判決を受けた人びとの投票権を刑期を終えた後で復活させるための投票イニシアティブを承認した。昨日まで、フロリダはアイオワとバージニアと並んで残り最後の州の一つで、有罪判決を受けた重罪者に投票を禁じていた。

65%の多数派が第4修正案を認めたことで、150万人以上のフロリダの人びとが投票権を取り戻すことになる。これには約50万人のアフリカ系アメリカ人が含まれる。この変化は、未来のフロリダの選挙に影響を与えると予想されているが、それはフロリダがキーの戦場となった大統領選挙も含まれる。

フロリダ州では、11の憲法改正案を採決し、1つを除いてすべてを承認した。フロリダでの投票イニシアチブの特徴は、通過するには60%超の承認が必要だということだ。

ブルーノ・カウフマンはスイスインフォ のグローバル・デモクラシー特派員であり、デモクラシ・メディア・プラットフォームの people2power.infoの編集長
(swissinfo.ch)

マリファナを合法化し、ゲリマンダーリングを制限する

11月6日には、今ホワイトハウスを占拠する人たちの意向と見解に反して、別のアメリカ全体のトレンドが投票箱で強化された。ミズーリ州は医療マリファナを合法化する第31番目の州になり、ミシガン州はカリフォルニア州とバーモント州など他の州に加わって嗜好用マリファナを合法化する10番目の州になった。

ミズーリ州では、いわゆる「医療マリファナとベテランヘルスケアサービスイニシアチブ」が投票の65%を得て、ミシガン州の有権者の57%が「マリファナ合法化イニシアチブ」に投票した。ほんの数週間前にミシガン州の北の隣国カナダでマリファナが合法化されたことで、投票に国際的な圧力が加わったとオブザーバーたちはコメントしている。

この火曜日、ユタ州の有権者も投票で合法化の提案を承認し、ノースダコタの人たちは同じ問題を否決した。

多くの州で市民イニシアチブは、政治家が投票区を決定する権利を制限するよう求めた。いわゆる「ゲリマンダーリング」は、政党が選挙区の境界を変えることで政治的優位性を確立することを目的として最近アメリカで行われている。

この10年の初めの頃から、地域イニシアチブは選挙区再編を独立した委員会に委任するのを助けている。これは2011年に当時の知事アーノルド・シュワルツェネッガーが支援したカリフォルニアでのイニシアチブで始まった。今週、ミシガン州の有権者は、「選挙区再編独立委員会イニシアチブ」を61%が承認した。連邦最高裁(Gill v Whitford)が年初に政党員のゲリマンダーリングに取り組むことに失敗した後、コロラド、ミズーリ、オハイオでは、同様の提案が市民によって承認された。

 

アメリカのダイレクトデモクラシーへのスイスのインスピレーション

現代のダイレクトデモクラシーは、アメリカでは一世紀以上経過し、移民の経験からインスピレーションを得て民衆の不満を補った。オレゴン州は1904年に課題に対する一般投票を初めて導入した。それ以来、2,700以上の州全体のイニシアチブとレファレンダムが投票に付された。

スイスでは、ほとんどの国レベルのイニシアチブが決して多数を取れないのとは対照的に、ほとんどのアメリカ市民のイニシアチブは、通ってしまう。アメリカ特有のもう一つの特徴は、民衆レファレンダムがほとんど存在しないことだ(今年158の州規模の投票のうち2つが民衆レファレンダムだった)。

アメリカにおける現代のダイレクトデモクラシーの明確な特徴は、国の西部地域でより多くの参加権が州憲法と都市憲章によって提供されていることである。これは、ある部分、州が連邦にいつ加盟したかに関係している。 1776年7月4日に連邦が設立された時、13州だけだった。そのすべての旧大英帝国の植民地は400万人に満たなかった。

1世紀後、たくさんの西部の州が設立されようとしていたとき、人口は20倍に増加し、移民と共にたくさんの新しいアイデアがやってきた。その中にはスイス人もいて、そこでは国の憲法にダイレクトデモクラシーが追加されていた。1874年には民衆レファレンダム、1891年には市民イニシアチブ。

今日、27の州が市民が一般投票を開始する権利を導入している。アメリカの50州すべてで、地方政府が有権者に発議することができる。しかし、連邦レベルでは、現行憲法にはそのような可能性はない。

 

この記事で紹介されている意見は、著者のものだけであり、必ずしもswissinfo.chの見解を反映するものではない。

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